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「うちのAI検索対策、効いてます?」に答える1行が、まだ計画書に空いてる件

POINT この記事のポイント
  • 戦略を持つのは91%、検証まで進むのは45%
  • まだ空いているのは「何をどの頻度で数えるか」

「AI検索の対策、計画には入れましたよ」のあとが続かない

来期の計画書に「AI検索対策」の章を足した。ここまでは進んだ会社が多いはずです。章の見出しも立派です。

なんですが、その章を最後まで読むと、効いているかを確かめる行が入っていない。そんな資料を見かけませんかね。

へクス子も去年、打ち手の欄だけを厚くした計画を出しております。数える工程のところには「走りながら決めます」と書きました。半年が過ぎました。

その状態がどれくらいありふれているのかを、600人超に聞いた調査が出ておりましてね。

AI検索の対策で、実際に成果を確かめている会社はどれくらいあるのか

AI の回答での可視性を実際に検証していると答えたのは45%でした。引用元まで分析していないと答えたのは60%であります。

いっぽう、AI 検索の戦略を文書として持っているのは91%です。計画のほうは、ほとんどの会社が用意できている状態ですね。数えるほうだけが、半分の高さで止まったままなんですよ。

調べたのは Scrunch という会社で、2026年7月16日に公表した調査であります。米国のマーケティング・PR の実務者600名超への自己申告アンケートで、事業会社と代理店が混ざった標本ですね。

ここでいう引用元ってのは、AI が回答の根拠として画面に並べる出典サイトのことです。自社が挙がっているか、競合が挙がっているかで、次に手を入れる場所が変わってきます。

「動かせる」と「確信が持てない」が同じ会社に同居している

同じ調査で、AI の回答を自社で動かせると考えている人は84%。ところが、その戦略が正しいか確信を持てないと答えた人が51%おります。

さらに、競合に遅れていると感じている人が62%。焦りはあるわけです。手は打てるはずだと思いながら、自分がいまどこにいるのかは分からない、という状態が、同じ標本の中に同居しているわけですね。

ツールを入れれば解けそうな話に見えますが、投資済みと答えたのは73%あって、検証している45%を大きく上回っていますね。導入と、数字を読む工程は別物だということでしょう。

ジムの会員証だけ増えていく現象に近いですなぁ。

では、何を数えれば「確かめた」ことになるのか

「確かめた」という言葉は、人によって指すものが違います。だから自社では中身を決めておきたいところで、へクス子が置いているのは3つです。

  • 名前が出た率: 同じ問いを繰り返し投げて、自社名が回答に登場した回数を割る。1回の回答では順位しか見えないので、月1回まとめて数える
  • 引用元の顔ぶれ: 回答の出典に並ぶドメインを書き出し、業界メディア・公式サイト・UGC の比率を見る。月1回
  • モデル間の差: ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexity で同じ問いを投げ、答えの食い違いを見る。四半期に1回

出現率ってのは、要は「何回聞いたら何回名前が出るか」の割合です。順位だけを見ていると、たまたま1位を取った日の数字を実力だと読んでしまいます。

自社の数字を社内へ出すときは、値だけでなく「何回聞いたか・どのAIか・いつ測ったか」を同じ文へ入れておくと、次の四半期に比べられます。3日連続で引用元を追った実測はこちらの記事にまとめてあります。

この45%を、そのまま日本の自社に当てはめてよいか

上の数字はどれも、自己申告のアンケートから出たものです。実測ではありません。実際に投げた問いのログや、回答に出た社名を数えた集計から出た数字ではないわけです。

対象は米国の実務者602名で、日本の実務での分布は測られておりません。

方法のほうは公表されておりまして、実施期間は2026年5月19日から6月2日まで、信頼水準95%、誤差は±4%と調査本体に書いてあります。ただしこの±4%は、米国の標本で出した比率に付く幅ですね。

公表されていないのは、その602名にどう声をかけたかという集め方のほうです。どこから集めた標本かが分からないと、どちらへ寄っているのかまでは読めません。

もう一つ。発行者の Scrunch は AI 検索の可視性計測ツールを売っている会社で、「測定が足りていない」という結論は自社の商品にとって都合がよく、そこに商業的な利害があります。

そして「検証している」「引用元を分析している」の定義が示されていない。数える工程を持っていない会社が45%の側に入っている、という読み筋も消えないんですよね。

つまりこの調査から取れるのは、日本の正確な比率ではなく、「戦略の保有と検証の実施が同じ標本の中で二倍近く離れうる」という構図のほうですね。構図なら、自社の計画書を開いて確かめられます。

打ち手を1つ足す前に、数える1行を足す

足すのは1行です。「何を・どの頻度で・どのモデルで数えるか」を計画書へ書いてしまう。

対象は上の3つから、自社の判断が変わるものを選べば十分でしょう。名前が出た率と引用元の顔ぶれは、月1回でも、半年たてば6点の推移が並びますよ。

91%が戦略を持つ市場で、検証まで持っている側は45%。もし数字の比率が日本で違っても、自社が空いている側にいるかどうかは今日確かめられます。

そんなわけで、今日はこのへんで。


出典

  • Eric Wendt(Scrunch), “The AI confidence trap: Key takeaways from our 2026 AI search survey”, Scrunch Blog, 2026-07-16, scrunch.com(限界: 発行者の Scrunch は AI 検索の可視性計測ツールを売る事業者であり、「測定が足りていない」という結論に商業的な利害を持つ)
  • Scrunch・Scribewise, “Moving fast, flying blind: What 600-plus marketing and PR professionals reveal about the gap between AI search confidence and AI search competence”(2026 AI Search Survey・調査本体), Scrunch, 最終更新 2026-07-16, https://scrunch.com/guides/2026-ai-search-survey
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