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発注する側のCMO100人、ベンダー探しをAIから始める人が検索を上回ってた

POINT この記事のポイント
  • ベンダー探しの入口、AI22%が検索16%を上回った
  • 意思決定者の90%が生成AIを日常使用、ただしn=100

「うちはBtoBだから、AIで探されるのはまだ先でしょう」

期の予算を詰める会議でこの一言が出ると、AI可視性の話はそこで終わります。

去年の他社の会議でも、同じ一言で議論が止まった場面を見かけました。

へクス子も、AI経由の購買データを刷って会議に持ち込んで、「うちの客は法人ですよ」の一言で引き下がった日があります。

なんですが、発注する側の役員に直接聞いた数字を並べると、その前提のほうが揺れるんですよ。

CMO(最高マーケティング責任者)100人に、ベンダー探しをどこから始めるかを直接聞いた調査が出ております。

BtoBの買い手は、ベンダー探しをどこから始めているのか

CMO100人への調査では、ベンダー探しを最初にChatGPTのような対話型AIの中で始める人が22%、従来型の検索エンジンから始める人が16%でした(Profound × Listen Labs、2026年7月15日発表)。

最も多いのは同業者・知人の推薦で49%ですが、検索とAIの順位はすでに入れ替わっています。

調べたのはAI可視性の計測を手がけるProfoundと、インタビュー調査のListen Labsの2社であります(R)。

  • 対象はCMO100人へのインタビュー
  • 業種はテクノロジー、金融サービス、ヘルスケア、専門サービスほか
  • 発表は2026年7月15日で、国と調査の実施時期は公表されていない

指名検索が起きるより手前、まだ社名を1つも思い浮かべていない段階の話ですからね。ここで候補に入っていない会社は、そのあとの比較検討の土俵に上がりません。

意思決定者本人は、AIをどのくらい触っているのか

90%が日常的に対話型AIを使い、85%が直近6〜12か月で使用が増えたと答えています。47%は思いつきで質問を投げる段階を過ぎて、定型の業務フローに組み込んでいるそうな。

47%という数字が効くのは、業務に組み込んだ人は同じ質問を繰り返し投げるからです。

つまり、その人の頭の中で「このカテゴリならこの数社」という並びを作っているのは、月に一度の展示会よりAIの回答のほうかもしれません。

「上の人はまだ触っていないから」という見立ては、少なくともこの100人には当てはまらないわけですね。

いちばん多い入口は、いまも人づての推薦で49%

49%と22%の差は27ポイントありまして、AIが口コミを追い抜いたという話にはなっておりません。

ここを取り違えると、社内での約束が過大になります。AI可視性を上げれば紹介経路が要らなくなる、という説明は数字が支えていないっすね。

置き方としては、人に聞く前の一次候補づくりに効く経路、くらいが実態に合います。

誰かに「あそこはどうですか」と確認するにも、確認する社名が先に要るわけです。その社名を仕入れる場所の一角を、AIの回答が占め始めている。

自社が推薦される力と、AIの回答に名前が出る力は、別々に数えて両方を伸ばすことになりましょう。

測るときは、ChatGPTだけ見ても足りない

用途によって開くAIが割れています。戦略立案や長文執筆にClaudeが44%、コンテンツ制作やコピーにChatGPTが29%、Google環境での作業にGeminiが22%、Microsoft環境での業務にCopilotが12%でした。

自社可視性の測定をChatGPTだけで済ませると、戦略の検討に使われている44%の側を見ないまま判断することになります。

AI可視性ってのは、要は「AIに質問したときに自社の名前が出てくるかどうか」のこと。出るかどうかは聞く相手ごとに違うので、測る側も相手を複数そろえる必要があるんですよ。

当社の定点観測でも、同じ5トピックを4つのAIへ投げたときの引用元の件数は揃っておりません。

ChatGPTが106件、Perplexityが100件、Geminiが74件、Claudeが72件でした(自社実測・n=20クエリ・ChatGPT/Gemini/Perplexity/Claude・測定2026-08-05)。

どのAIに聞いたかで、拾える景色がここまで変わるということですね(R)。

この数字を社内資料に持ち込むときに、必ず添える注記

母数は100人です。大きめの会議室が1つ埋まるくらいの人数であります。

母集団を代表するように標本を抽出した、とは示されておりません。インタビュー調査の結果として読む数字です。

国と調査の実施時期も公表されていない。「いつの、どこの市場の話か」を特定できないので、日本市場の現在地としては使えないところです。

自己申告である点も残ります。実際にどこを開いたかの行動ログではなく、本人がそう答えたという記録ですね。

調査主体の一方であるProfoundは、AI可視性の計測サービスを売っている会社です。「購買の入口がAIへ移った」という結論は自社製品に有利に働くので、そこは差し引いて読むことになります。

社内資料へ持ち込むときは、n=100と時期非公表の2点を必ず数字の隣に書いておきましょう。この2つを落とすと、質問された瞬間に数字ごと信用を失います。

なお、AIが挙げた候補から買い手が何を選んだかについては、別の調査を以前に書きました(R)。今回はその手前、探し始める場所の話であります。

自社カテゴリの質問を3本決めて、複数のAIに投げる

この調査から社内へ残すとしたら、22%と16%という水準そのものより、入口の順位が入れ替わったという一点でしょうな。

BtoBの買い手が最初に開く場所の一角にAIが入った以上、指名検索が起きる手前で候補に入っているかを確認する理由が立ちます。

先に決めるのは、投げる質問のほうですね。自社の商材カテゴリで買い手が打ちそうな質問を3本書き出して、同じ3本を複数のAIへ投げ、候補に自社が入るかを見る。

「◯◯業界向けの△△ツールを比較して」「中堅企業が◯◯を導入するときの選択肢は」あたりが、そのまま使える形ですね。

名前が出てこなければ、それが指名検索より手前で失っている接点です。出てくるなら、どんな文脈で紹介されているかまで読んでおくと、営業資料の言い回しを直す材料になります。

へクス子としては、この数字は「自社カテゴリを日本語で数えてみる価値がある」ことの背景に置くくらいが妥当だと思います。上申の根拠そのものになるのは、その3本を投げて出てきた自社の結果のほうですね。

そんなわけで、その3本を会議へ持っていく前に、まず自分で投げてみてくださいませ。

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