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AIに「見つかる」と「選ばれる」は別問題、3.7万回監査で分かった格差

POINT この記事のポイント
  • 大手ブランドほど有利、は半分だけ正解だった
  • 一番勝率が高いのは挑戦者クラスという発見

「うちは大手だから、AI対策はまだ急がなくていい」

社内でこの一言が出た経験、けっこうあるでしょうな。

逆に、無名に近いブランド側からは「うちはどうせAIに拾われない」という声も聞こえてきます。

へクス子は、この2つの声を同じ会議で同時に聞いたことがありましてね。どちらも間違ってはいないんですが、どちらも半分しか当たっていないんですよ。

なんですが、実際に測ってみると話が違ってましてね。同じ「AIに拾われない」ように見えても、原因は本当に同じなのか。

ブランドの知名度によって、AIに負けている「段階」そのものが違うという実験結果があります。

37,000回のAI推薦を、知名度で5段階に分けて追った監査から見ていきますよ。

AIに推薦されない理由は、会社の格で違うのか

違います。知名度の階層によって、負けている段階そのものが変わります。

大手クラスはほぼ確実にAIの候補には挙がるのに、最終的に選ばれるのは25〜41%だけでした。

無名に近いクラスは、そもそも候補にすら挙がらない回数が48〜52%に達していました(Unusual.ai、Will Jack ほか4名、37,000回・533ブランド・19業種、2026年5月22日投稿)R

AI推薦は3段階のファネルで壊れる

この監査は、AIがブランドを推薦するまでの過程を3段階に分けています。

1つ目は「候補として発見されるか」。AIが検索で見つけ、そのブランドの情報にたどり着けるかという段階です。

2つ目は「回答の中で言及されるか」。見つけたうえで、実際に文章の中で名前を出すかという段階です。

3つ目は「最終的な推薦として選ばれるか」。名前は出したうえで、比較の勝者として選ぶかという段階ですね。

大手クラス(カテゴリリーダー)は1つ目の壁をほぼ超えているのに、3つ目の壁で25〜41%しか勝てません。差別化とポジショニングで負けているわけです。

無名に近いクラス(ロングテール・地域プレイヤー)は、そもそも1つ目の壁で48〜52%が消えます。発見される前の段階で負けているんですよ。

同じ「AI可視性が低い」という悩みでも、原因になっている壁が違うと、直す場所も当然変わってきます。

一番勝率が高いのは、実は挑戦者クラスだった

「確立した挑戦者」と呼ばれる中堅クラスは、候補に挙がった後の勝率(変換率)が37〜52%と、全階層でもっとも高かったんです。

大手クラスの25〜41%より高い。しかも無名クラスのように発見自体で苦労しているわけでもない。

中堅ミッドマーケット帯は、発見・言及・最終推薦のすべての段階で同時に負けており、勝率は34〜40%に落ち着いていました。挑戦者クラスと1段違うだけで、負け方の様相が変わるということですね。

トップブランドでなくても、いったん候補に挙がってしまえば勝算は十分にある。この事実は、中堅・挑戦者クラスの企業にとって励みになる数字だと思うんですよ。

階層に応じて、打つ手そのものを変える

大手クラスに効くのは差別化コンテンツ、無名クラスに効くのは権威リストへの掲載というように、中身がまるで違います。

  • 大手クラス(発見はできているが選ばれない): 差別化コンテンツで守りのポジショニングを固める
  • 挑戦者クラス(勝率が一番高い): セグメントを絞った訴求で、その勝率をさらに伸ばす
  • 中堅クラス(全段階で同時に負けている): 発見と差別化の両方に投資するハイブリッド
  • 無名・地域クラス(発見される前で消えている): 業界の比較サイトやランキング記事など、権威のある情報源への掲載を狙う

自社の格に合わない打ち手を選ぶと、労力がまるごと空振りになりかねないわけですね。

この数字を社内資料へ持ち込むときの注記

対象は米国・英国・EU市場の19業種で、日本語圏での実測ではありません。

測定はOpenAIとAnthropicの2プロバイダのみで、GeminiやPerplexityは含まれていません。

単日測定であり、時間が経ったときの変動(ドリフト)は確認されていません(体重計に一度だけ乗って、一生分の体型を語るようなものでありますね)。

そして著者4名は全員、AI可視性の測定を手がけるUnusual.aiの所属です。「階層ごとに打ち手を変えるべき」という結論は、同社の診断プロダクトと相性がいい方向の主張でもあります。

この4点を無視して数字だけ社内で独り歩きさせると、あとで何が起きるでしょうか。へクス子は、先にこの4点を押さえたうえで数字を使うようにしております。

自社がどの段階で負けているかを、まず特定する

実務でまず手を動かすのは、階層別の打ち手を選ぶ前の1ステップです。

自社ブランドの知名度が業界内でどのあたりに位置するかを大まかに置いてみて、AIに聞いたときに「そもそも候補にすら出てこないのか」「候補には出るが選ばれないのか」を確かめます。

この2つは原因も対策もまったく別物なので、混同したまま予算を投じると空振りしやすいんですよ。

出てこない側であれば、業界の比較記事やランキング記事への掲載を優先します。候補には出るのに選ばれない側であれば、差別化コンテンツやセグメント別の訴求に投資を回すほうが筋がいいでしょうな。

自社が挑戦者クラスに近いと分かったなら、そこは全階層で一番勝率の高い立ち位置です。慌てて大手の真似をするより、その勝率をどう伸ばすかを先に考えたほうがよさそうです。

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