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AIに載るのは「リンク」より「うわさ」が多いブランドだった、7万5千件の話

POINT この記事のポイント
  • ウェブ上の「言及の多さ」が被リンクの約3倍効いた
  • 勝ち筋はリンク集めより「語られる面」を広げるPR

「AI対策って言っても、やることは結局リンク集めでしょ」。マーケの現場で、そんな声をよく聞くようになりました。

検索で強かったページが、そのままAIにも拾われる。だから被リンクを地道に増やせばいい。へクス子も、なんとなくそう構えていたクチです。

ところが、この「AI対策=被リンク」という前提を、まっこうから揺さぶるデータが出てきまして。

しかも、7万5,000ブランドという、なかなかの規模で調べたものなんですよ。今回はそのあたりを、実務に持ち帰れる形で掘り下げてみたいと思います。

「AI対策って、要は被リンク集めでしょ?」への答え

この問いに大量のデータでぶつかっていったのが、SEOツールで知られるAhrefsの分析です(R)。

なにしろ規模が大きくて、7万5,000ものブランドについて、ChatGPT・Google AI Mode・AI Overviewsという主要なAIでの「登場しやすさ」を集計しています。

そのうえで、それぞれのブランドが自社サイトの外でどんな特徴を持っているかを、片っ端から突き合わせたわけですね。

「AI可視性」ってのは、要は「AIの回答のなかで、自社がどれだけ名前を出してもらえるか」のこと。この登場しやすさが、被リンクの数やウェブ上での言及の多さと、どれくらい連動しているかを見た、という話です。

効いていたのは「リンクの数」より「うわさの広さ」だった

で、結果がどうだったかと言いますと、これが長年の常識を裏切ってくるんですよ。

まず、SEO担当者が命綱にしてきた被リンクの数。これがAIでの登場しやすさと、ほとんど連動していなかったんですね。

相関でいうと、被リンクは0.10〜0.218どまり。「相関」ってのは、要は「片方が増えると、もう片方も増える」という連動の強さのことです。

かわりに、ダントツで効いていた手がかりがありました。「ウェブ上でのブランド言及」です。

ブランド言及の相関は0.664。被リンク(0.10〜0.218)の、ざっと3倍の強さでした。

  • ウェブ上のブランド言及: 相関0.664(最も強く連動)
  • 被リンクの数: 相関0.10〜0.218(連動はごく弱い)

「ブランド言及」ってのは、要は「第三者のページで、あなたの会社やサービスの名前が語られること」ですね。自社サイトの外で、どれだけ話題にされているか、という広がりのことです。

なぜ「リンクの本数」より「語られる広さ」が効くのか

面白いのは、ここからですなぁ。この傾向、Ahrefs単体のクセではなさそうなんですよ。

別の調査主体OppAlertsが10万件超のプロンプトで調べた分析でも、被リンクの説明力はわずか数%どまりでした(R)。独立した2つの調査が、そろって同じ方向を指しているわけですね。

理屈を考えると、腑に落ちるところはあります。検索エンジンは「どのページを上位に出すか」を選ぶ装置でした。一方でAIは「どのブランドを名指しで推すか」を決めている。

前者はページ単位の勝負ですが、後者はブランドという存在そのものの認識勝負なんですよ。だからAIは、あちこちで一貫して語られているブランドほど、安心して名前に出せるわけです。

被リンクを1本ずつ積み上げてきた身からすると、盤面の変わりようには少し呆然とします(コツコツ貯めたポイントが、別のアプリでは1点も使えなかったようなものですよ)。

ただし、留保も要ります。これは相関であって、因果を証明したものではありません。言及を増やせば必ずAIに載る、と約束できるわけではないし、効き目には業種差もあります。

「語られる面」を広げて、AIでの登場を測る

そんなわけで、この分析が実務に教えてくれることをまとめておきます。

いちばんの収穫は、AIに載るための勝負どころが、リンクの本数ではなく「ウェブ上で語られる面の広さ」にあると見えてきたことでしょうな。

被リンク集めがムダになるわけではありません。ただ、それだけではAIが見ている手がかりの大半を、素通りしてしまうんですね。

具体的に手を入れるなら、まずは第三者に語ってもらう機会を増やすところからです。業界メディアへの寄稿、調査データの発信、レビューや事例の獲得。いわゆるデジタルPRで、ブランドが語られる場所を面として広げていく。

派手さはありませんが、この「語られる広さ」こそが、AIにとっての「このブランドは名前に出していい」の土台になります。

そしてもう1つ、忘れたくないのが「測ること」です。言及を増やしたとして、それが本当にAIでの登場につながったかは、被リンクのレポートを眺めていても見えてきません。

自社が今どれくらいAIの回答に登場しているかを、リンク数とは別のものさしで定点観測しておく。打ち手と効果がつながって、はじめて「AIに語られる設計」は回り始めます。

リンクを何本取ったかの表から一歩外に出て、世の中にどれだけ語られているか。そこにAI時代の一等地が、案外ひっそりと空いているんじゃないかなと思います。


出典

  • Ahrefs, “Top Brand Visibility Factors in ChatGPT, AI Mode, and AI Overviews (75k Brands Studied)”, ahrefs.com(7万5,000ブランド分析。ブランド言及 相関0.664 vs 被リンク 0.10〜0.218)
  • OppAlerts, “LLM Ranking Factors”, 2026年3月, oppalerts.com(145業種・10万件超プロンプトの分析。被リンクの説明力は数%どまり。AI可視性サービス事業者による調査)
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