「自分のブランド、AIにどう出てるか測ってみたい」と思ったので測った
最近、自社の名前をChatGPTに打ち込んで、「うちのこと、AIはどう紹介するんだろう」と試してみた方、けっこう多いんじゃないですかね。マーケの現場でも、「で、結局うちってAIにどう出てるの?」という会話を、ちらほら見かけるようになりました。
へクス子の周りでも、広報やマーケの担当者が面白半分でやってみて、「思ったより出てこない」「競合のほうが先に出てきた」とザワついている場面によく出くわすんですよ。気持ちはわかります。自分の会社がAIにどう見えているかって、一度気になると、確かめずにいられないですからね。
なんですが、その「どう出てるか」を雰囲気ではなく、ちゃんと数字で測れたら、もっと話が早いはずです。実はへクス子、まさにそれを測るためのツールを作っておりまして。そこで、せっかくなので、その測定器を自分自身に向けてみたわけです。
その結果が、なかなか味わい深いものになりました。今回から、自社のAI上での見え方を定点観測して、その数字と改善の過程をまるごと公開していく連載を始めます。初回は、いきなり出鼻をくじかれた話からですよ。
そもそも「AI被引用率」ってのは何を測ってるのか
まずは、今回追いかける数字の説明からですね。AI被引用率(Share of Voice)ってのは、要は「生成AIが回答の中で示した引用リンク全体のうち、自社サイトのURLがどれくらいの割合を占めるか」を表した指標です。
たとえばPerplexityに何か質問すると、回答の下に出典リンクがいくつも並びますよね。あれを大量に集めて、その中に自社ドメインがどれだけ顔を出すかを数える、という発想であります。AIが何かを語るときに、自社がどれくらい「情報源として頼られているか」の目安になるわけですね。
測り方はシンプルにしました。「AIブランドトラッキングツールのおすすめは?」「AI可視性ってどう測るの?」といった、自社の事業ど真ん中の5トピックを用意して、それをChatGPT・Gemini・Perplexity・Claudeの4つのAIにそれぞれ投げます。合計20クエリですね。返ってきた回答から引用URLを全部抜き出して、そのうち hexscope.ai が何件あるかを数える。やることはそれだけです。
ちなみにこの測定は、コマンドひとつ叩けば毎回本番のAIに同じ質問が飛ぶようになっていて、結果は日付つきで時系列に保存されます。自分の数字を、自分の道具で、定期的に測る。いわゆるドッグフーディングってやつでして。
で、結果がどうだったかと言いますと、0%でした
さっそく測ってみた結果が、こちらです。
- 20クエリ中、回答の取得と引用抽出に成功したのは15クエリ
- 集まった引用URLは、全部で46件
- そのうち hexscope.ai は……0件
はい、被引用率0.0%です。46分の0。きれいに何もありませんでした。
正直、測定スクリプトのバグを3回くらい疑いましたよ。けれど何度見直しても0。これはもう、現実として受け止めるしかないっすね。
なんというか、AI可視性をはかる体重計を自分で作っておきながら、その体重計に一度も乗っていなかったみたいな話でしてね。ただ、この0%、ただ落ち込んで終わる数字でもないんですよ。「なぜ0なのか」を分解していくと、AI可視性という土俵そのものの、わりと大事な構造が見えてきます。
内訳を見たら、そもそも土俵がPerplexityしかなかった
引用URLの46件が、どのAIから出てきたのか。内訳で見ると、これがまた極端でしてね。
- Perplexity: 46件(自社0件)
- ChatGPT: 0件
- Gemini: 0件
- Claude: 0件
引用URLを出してきたのは、まさかのPerplexityひとつだけ。残り3つのAIは、引用URLそのものをほとんど出してこなかったんですよ。
これ、3つのAIが無言だったわけではありません。ちゃんと回答はしているんです。ただ、ChatGPT・Gemini・Claudeは、既定の回答では本文に出典リンクをあまり貼らない。文章でスラスラ答えるけれど、「どこ情報?」のリンクは出さないんですね。
一方のPerplexityは検索連動型です。検索連動型ってのは、質問のたびにウラで検索をかけて、その結果をもとに答えるタイプのことですね。だから回答の根拠として、URLをずらりと提示してくるわけです。
つまり、いま「引用URLとして可視化される土俵」は、実質Perplexityだけ、ということになりましょう。AI被引用率を上げたいと思ったとき、まず戦う場所はそこなんだ、という話ですね。これを知らずに「全AIで引用されよう」と意気込んでも、そもそもURLを出さない相手に出典を載せてもらうのは、なかなか難しいわけです。
上位は競合とSEOメディア、自社は影も形もなし
では、その唯一の土俵であるPerplexityで、いったい誰が引用されていたのか。上位のドメインを並べると、こうなっておりました。
- dageno.ai(4件)
- shwat.jp / mediareach.co.jp / seohacks.net / youtube.com(各2件)
- aisearch.similarweb.com / hubspot.jp / japan-ai.co.jp ほか(各1件)
見事に、競合と思しきサービスや、SEO・マーケ系の情報メディアで埋まっておりますね。そして我らが hexscope.ai は、どこにも見当たらない。完全に圏外であります。我ながら、清々しいほどの圏外っぷりですなぁ。
ここから読み取れることは、わりとはっきりしています。AIは、そのトピックについて「すでにあちこちで語られている情報源」を引いてくる。裏を返せば、まだ世の中に十分なコンテンツも言及も積み上がっていない新顔は、そもそも引かれようがないわけですね。へクス子の会社は、まさにその新顔だった、というだけの話です。
逆に言えば、この0%はスタート地点の記録でもあります。ここからどんなコンテンツを出し、どこで言及を増やすと、この数字が動くのか。それを実地で試して見せるのが、この連載の役目ということになりますね。
「測れる土俵」を知ってから、自社の0%と向き合う
今回わかったことを、マーケ目線で整理しておきますね。
ひとつめ。自社がAIにどう出ているかを「引用URL」で測るなら、いまの主戦場はPerplexityだということです。ChatGPT・Gemini・Claudeは本文にURLを出さないので、URLベースの被引用率という土俵では、ひとまずPerplexityを軸に見るのが現実的でしょう。もちろん、AIがURLを出さずに「ブランド名」を語るケースは別にあるので、そこは今後の連載で別の測り方も扱っていきます。
ふたつめ。そのうえで自社の数字が0%でも、慌てる必要はないということ。0%は「まだ土俵に上がっていない」サインであって、「永久に無理」ではないんですよね。上位を競合やSEOメディアが占めているのは、彼らがそのテーマで先にコンテンツと言及を積んだから、というだけのことですから。
さて、ここからが本題です。この連載「AI可視性 定点観測レポート」では、へクス子が自社のこの0%を、毎週同じ方法で測りながら、どう動かしていけるかを実況していきます。次回からは、具体的に何を打ち手として試したか、そして数字がどう反応したか(あるいは、しなかったか)を、正直にお見せしていく予定です。
自分のブランドがAIにどう出ているか気になっている方は、まず「自社が戦うべき土俵はどこか」を確かめるところから始めてみてくださいな。その第一歩として、この0%からの道のりが、何かの参考になればうれしいですね。
今回の測定について
- 測定日: 2026-06-23(JST)
- 方法: AIブランドトラッキング / AI可視性 / GEO / Share of Voice / ブランドモニタリング系の5トピックを、ChatGPT・Gemini・Perplexity・Claudeの4つのAIに質問(計20クエリ)。各回答から引用URLを抽出し、全引用に占める hexscope.ai の割合を算出。
- 結果: 引用URL総数46件中、hexscope.ai は0件。self_ai_citation_sov = 0.0%(0/46)。