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「AIにおすすめされたら勝ち」って本当?98%は買う前に裏を取ってる

POINT この記事のポイント
  • 知らないブランドをAI推薦だけで買う人は2%
  • 裏取りで効くのは第三者レビュー、引用率1%→75%

「AIに名前さえ出してもらえれば、あとは売れる」と思っていませんか

ここ最近、「ChatGPTにうちの会社を出させるには、どうすればいいのか」という相談が、マーケターのあいだで一気に増えてきましたよね。検索の次はAIだ、AIにおすすめされた者が勝つ、という空気もありまして、その気持ちはよくわかります。

へクス子も、はじめてAIに自社を出させられたときは、「出た!」と画面の前でちょっとガッツポーズしかけました。名前を出してもらう、というのはたしかに大きな一歩なんですよ。

なんですが、よくよく考えると、ひとつ抜け落ちている問いがあるんですよね。AIにおすすめされた”あと”、画面の向こうの人は、いったい何をしているのか。ここが意外と語られないまま、「出させること」だけがゴールになりがちなんです。

今回は、その「おすすめされたあと」を1,000人に聞いた調査をもとに、AI対策の本当の勝負どころを見ていきたいと思います。

「AIのおすすめだけで買う」人は、たった2%だった

調べたのは、PR・マーケティング支援を手がけるIdea Groveというアメリカの会社です(R)。米国の消費者1,000人に、「AIに勧められたブランドを、その場でどう扱うか」を聞いております。

で、いちばん効いてくる数字がこれなんですよ。知らないブランドをAIに推薦されたとき、それだけを理由に買う人は、わずか2%。残りの98%は、買う前になんらかの「確認」をしていた、というわけです。

98%ですよ。ほぼ全員が、AIのひとことを鵜呑みにせず、いったん自分の足で裏を取りにいっているんですよ。「AIに出してもらえさえすれば売れる」という前提が、ここでけっこう揺らいできます。

念のため補足しておくと、Idea Groveは「信頼構築」を売りにする支援会社なので、この数字も自社サービスの追い風になる方向のポジショントークではあります。とはいえ、勧められても消費者がいったん確認に動くこと自体は、自分の買い物を思い返しても、すんなり腑に落ちる話でしょう。

残り98%が、こっそりやっていること

では、その98%は具体的に何をして「裏を取って」いるのか。調査では、確認行動の中身もきれいに出ております。

  • 62% が、そのブランドをGoogleで検索し直す
  • 58% が、公式サイトを直接のぞきにいく
  • 52% が、AIの回答に出てきたリンクをクリックする

新しくできたお店を友だちに「あそこ良かったよ」と勧められても、結局その場でこっそり口コミを検索してから入る。あの感覚に近いんですよね。AIの推薦は、いわば信頼できる知人の紹介みたいなものでして、話を始めるきっかけにはなるけれど、それだけで財布のひもがゆるむわけではない。

ここから見えてくるのは、AIの推薦は「入口」であって「決め手」ではない、ということなんです。名前を出してもらった瞬間に勝負が終わるのではなく、そこからGoogle・公式サイト・引用元という3つの窓口で品定めが始まる。出させたあとに”裏が取れる状態”になっていないと、せっかくの推薦が途中で立ち消えてしまうわけですね。

では、その「裏取り」を生き残るには

ここで気になるのが、「じゃあ裏取りの場面で、何が効くのか」という話です。これについては、Trustpilotの委託でSeer Interactiveが出した、なかなか大規模な分析がありまして(R)、これがヒントになります。

ChatGPT・Gemini・Perplexity・Google AI Modeから集めた、なんと80万件超のAI回答を分析したものでして、ブランドを「レビューの集め方」で4つのグループに分けて、AIに引用される率を比べております。

で、その結果がわかりやすいんですよ。

  • レビューのプロフィールを持たないブランドが引用される率は、たったの1%
  • プロフィールを作るだけで53.5%
  • レビューを能動的に集めて、返信までしているブランドは75.3%

ついでに言うと、レビューや信頼系のサイトは、AIの引用元全体の14%を占めていて、ソースの種類としては堂々の2位だったそうな。AIは、第三者がそのブランドをどう語っているかを、思った以上に重く見ているわけっすね。

さきほどの確認行動を思い出すと、これはきれいにつながります。消費者が公式サイトや引用元をのぞきにいったとき、そこに第三者の生の声がそろっていれば、「ちゃんとしたブランドだ」という裏付けになる。逆に、自分で「いい会社です」と言い張るページしかなければ、裏取りの段階でそっと候補から外されてしまうわけです。数字でここまできれいに差がつくと、なるほどと唸らされますなぁ。

なお、この調査もレビュープラットフォームであるTrustpilotの委託なので、レビュー収集の価値を強調する方向のバイアスは、いくらか差し引いて読む必要があります。ただ、分析の規模は具体的で、「第三者の声が効く」という方向そのものは、先ほどの確認行動のデータともきちんと噛み合っております。

AI対策を「名前を出させる」で終わらせない

ここまでをまとめますと、AIに推薦されることは、ゴールではなくスタートだった、というのが今回の話です。知らないブランドを推薦だけで買う人は2%。残り98%は、検索し、公式サイトを見て、引用元をたどって、自分なりに裏を取っている。だから、出させたあとに裏が取れる状態をつくれているかどうかで、推薦が売上につながるかが決まってくるわけですね。

なので、AI対策のチェックポイントは、「名前を出させる」の一歩先に置くのがよさそうです。

AIに推薦された自社を、検索結果・公式サイト・第三者レビューの三点で”裏が取れる”状態にしておくこと

具体的には、まず自社名で検索したときの結果と公式サイトの中身が、AIの言っていることと食い違っていないかをそろえる。そのうえで、いちばんテコが効くのが第三者レビューでして、レビューを能動的に集めて、きちんと返信まで返しておく。プロフィールがあるだけで引用率が1%から53.5%に跳ねるわけですから、ここに手をつけない理由はないでしょう。

逆に言えば、AIに名前を出させること”だけ”に予算と労力を全振りするのは、入口に立派な看板を立てて、肝心の店内をがらんどうにしておくようなものなんですよね。推薦の先で待っている98%の確認行動を、生き残れる中身にしておく。そこまでをワンセットで設計するのが、これからのAI対策の出発点になりましょう。


出典

  • Idea Grove, “Only 2% of Consumers Buy From an AI-Recommended Brand Without Checking It First, Idea Grove Survey Finds”, BusinessWire, 2026-04-16, リンク
  • Seer Interactive(Trustpilot 委託), “Brands that build trust through reviews increase AI citations from 1% to 75%”, PR Newswire, 2026-03, リンク
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