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AIで情報収集する人が6割超えても、結局「信頼できるブランド」が効くらしい

POINT この記事のポイント
  • 生成AIを使う人が1年で4割から6割超に急増らしい
  • でもAI製ニュースは信頼されず、頼られるのは既存ブランド

「AI要約で読んどけば十分でしょ」が口ぐせになってきた

最近、ニュースや業界レポートを、いちいち全文読まずにAIの要約で済ませる場面が増えてきたじゃないですか。朝の情報収集はChatGPTにまとめてもらって、気になったところだけ元記事を開く、みたいな読み方をしている方も多いんじゃないですかね。

へクス子も、長いPDFのレポートをまるっと貼り付けて「3行で教えて」とお願いすることが、ずいぶん増えました。便利なんですよ、これが。

なんですが、ここでふと不安になることもありまして。「この要約、どこまで信じていいんだろう」と。元の情報が正しいのか、AIが話を盛ってないのか、確かめようとすると、結局そこそこ手間がかかるわけです。

で、面白いことに、この「便利だけど信じきれない」という感覚は、どうやらへクス子だけの話ではないらしい。世界中の消費者データに、くっきり出ているんですよね。今回は、Reuters・Edelman・Gartnerの3つの調査を並べて、AI時代に「信頼」がどこへ向かうのかを掘り下げてみたいと思います。

まず、AIで情報を集める人はどれくらい増えたのか

出発点として見ておきたいのが、オックスフォード大学のReuters Institute(ロイター・ジャーナリズム研究所)が2025年6月に出した「Digital News Report 2025」(R)であります。世界規模で情報消費の行動を毎年追いかけている、なかなか大掛かりな調査ですね。

で、生成AIの使われ方がどうなったかと言いますと、こうなった。

  • 生成AIを使った経験のある人は、40%から61%に急増
  • 週に1回以上使う人も、18%から34%へとほぼ倍増

つまり、AIを「ちょっと触ったことがある」レベルから「日常的に使う」レベルへ、世界全体でぐっと踏み込んだ1年だったわけですね。ニュース向けの使い道で見ても、記事の要約に関心がある人が27%、翻訳が24%、レコメンドの改善が21%と、要約のニーズが頭ひとつ抜けております。

ところが、ここで面白い「ねじれ」が出てくるんですよ。

「便利だけど信用してない」という消費者のねじれ

同じReutersの調査で、AIが生成したニュースに対する消費者の印象も聞いておりまして、これがなかなか味わい深い結果ですなぁ。

AI製ニュースは「安く作れそう」(+29)、「早く出てきそう」(+16)とは思われている。が、肝心の中身については、「透明性が低そう」(-8)、「正確性が低そう」(-8)、そして**「信頼できなさそう」が-18**と、評価がはっきりマイナスに振れていたわけです。

要するに、消費者はAIを「便利な道具」として受け入れつつ、「情報源としては眉に唾をつけて見ている」ということですね。冷蔵庫は便利だけど、奥で何ヶ月も眠っていたタッパーの中身までは信じない、みたいな距離感でしょうか。

そして、ここがマーケターとして見逃せないところなんですが、Reutersは「信頼できるニュースブランドが、ファクトチェックの最重要手段として機能している」と指摘しております。AIで情報があふれるほど、「で、これ結局どこの情報なの?」と立ち返る先として、既存の信頼ブランドの価値が上がっているわけですね。

「使ったことがあるか」で信頼が真っ二つに割れる

この「信頼のねじれ」を、もう少し別の角度から見せてくれるのが、Edelmanが2026年1月に発表した「Trust Barometer」(R)です。28カ国・約34,000人を対象にした、これまた大規模な信頼度調査ですね。

数字を見ると、米国でのAIへの信頼度はわずか32%。生成AIのプラットフォームは「過去5年で信頼を損なった出来事トップ5」の1つに数えられていて、37%の人がこれを選んだんだそうな。

ただ、ここで興味深いのが、AIを実際に使ったことがある人とない人とで、信頼度に26〜46ポイントもの差が開いていた点です。触ったことがある人ほど、AIを信頼している。逆に言えば、食わず嫌いの層がまだ分厚く残っている、ということになりましょう。

なので、「AIへの不信」とひとくくりにするのは、ちょっと雑なんですよね。実際は「使って納得した人」と「まだ距離を置いている人」がきれいに分かれている。この2つの層に同じメッセージを投げても、片方には響かないわけです。

半分の消費者は「AIを使わないブランド」を選んでいた

最後に、ブランドコミュニケーションの現場に最も直結する調査を見ておきましょう。Gartnerが2026年3月に公開した、米国の消費者1,539名を対象にした調査(R)です。

ここで出てきた数字がなかなかパンチが効いていて、消費者の50%が「生成AIを顧客接点のメッセージや広告、コンテンツに使わないブランド」を好むと答えたんだそうな。さらに、こういう結果も出ております。

  • 61%が、日常の判断に使う情報の信頼性を「しょっちゅう疑う」
  • 68%が、目にするコンテンツが本物かどうかを「しょっちゅう疑う」

情報の真偽を直感で判断する人は、2025年末時点でわずか27%。みんな、自分の勘を頼るのをやめて、裏取りに動き始めているわけっすね。

面白いのは、これがAI全否定ではないところでして。別のBCGの調査では「6割超が生成AIを高く信頼している」という逆向きのデータも出ているんですよ。つまり、「道具としてのAIは信頼するが、ブランドが自分に語りかけてくる言葉にAIが混ざるのは嫌」という、ねじれた二面性が同居しているわけですね。

結論: AI活用は「隠す/押し出す」の二択ではなく、信頼の担保とセットで設計する

3つの調査を並べると、見えてくる絵はわりとはっきりしています。AIで情報に触れる人は急増している。なのに、AIが作ったものへの信頼はむしろ低く、人々は「で、これ誰が言ってるの?」と出どころを探している。AIが普及するほど、皮肉にも「信頼できるブランドかどうか」の価値が上がっているわけです。

ここからマーケターやブランド担当が持ち帰るべきは、AI活用を「見せ方の問題」ではなく「信頼の問題」として設計する、という視点でしょう。

AIを使っていることをこっそり隠すのも、逆に「最新AI活用!」と前面に押し出すのも、どちらも筋が悪い。消費者の半分はAI混じりのコミュニケーションを警戒しているし、「使って納得した層」と「距離を置く層」では響き方がまるで違うからです。大事なのは、使うか隠すかの二択ではなく、「この情報は誰が責任を持っているのか」が読者にちゃんと伝わる形を残しておくことなんですよね。

具体的に効いてくるのは、たとえばこんなところです。AIで作ったコンテンツでも、一次情報の出どころや監修者を明記して「裏取りできる状態」にしておく。そして、ChatGPTのようなAIに自社ブランドを尋ねたとき、信頼できる文脈で語られているかを定点で確かめておく。自社の顧客がどの立ち位置にいるかを掴みたいなら、Reuters・Edelman・Gartnerのレポート原文に当たってみるのが、いちばんの近道になるはずです。

AIが情報の入り口になるほど、最後に効いてくるのは「このブランドなら信じられる」という地道な蓄積でしょう。そこだけは、どうやらAIに丸投げできない部分なのかもしれませんな。


出典

  • Reuters Institute for the Study of Journalism (2025), “Digital News Report 2025”, リンク
  • Edelman Trust Institute (2026), “2026 Edelman Trust Barometer”, リンク
  • Gartner (2026), “Gartner Marketing Survey Finds 50% of Consumers Prefer Brands That Avoid Using GenAI in Consumer-Facing Content”, リンク
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