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「おすすめ教えて」、AIは聞き方しだいで答えが変わるの?

POINT この記事のポイント
  • 実ユーザーの質問は推定より71%長い相談文だった
  • 「おすすめ」型だけでは測定がズレるという話

「おすすめのツール教えて」で、本当に知りたい答えは返ってくるんですかね

ChatGPTへの質問って、検索窓に打つ単語だけの聞き方と、条件を細かく添えた相談文の2タイプがあるじゃないですか。

条件を細かく添えて相談するように打ち込んだ経験があるなら、そちらのほうが意思決定にずっと近い質問をしていたことになります。ここを区別せずに測ると、AI可視性の評価をけっこう外しやすくなります。

実務でも「どのプロンプトで自社が出るか」を追うケースは増えてますが、推定プロンプト中心の測定だと、実ユーザーの聞き方を取り逃がすことがあるわけです。

では、実ユーザーが打ち込んでいる質問と、こちらが推定して並べた質問は、どこがどれだけ違っているのか。

実ユーザーの質問は、思ったより長くて個人的だった

Otterly AI が2026年2月に出した分析(R)では、数百件の実プロンプトと推定プロンプトを比較しています。で、結果はかなりはっきりしていました。

  • 平均語数: 推定8.8語、実15.1語(実は71%長い)
  • 人称代名詞: 推定18.8%、実52.1%(実は2.8倍)
  • 問題志向表現: 推定7.1%、実21.1%(実は3倍)
  • 開始語: 推定は「best」偏重、実は「what」「I」が多い

要するに、実ユーザーは「最適な製品名を教えて」だけでなく、「うちの人数・予算・運用体制だとどれが現実的か」まで聞いてるんですよ。検索語というより、相談文に近いわけですね。想像以上に生々しい質問でございます。

言い回しより「何を聞いているか」が効いてくる

ここで補助線になるのが、NAACL 2025で発表された Errica らの研究です(R)。言い換え差による精度変動は3.2〜10%で、表面の語より意味構造の影響が大きいと示されています。

だから問題は、「best」を「top」に変えるかどうかじゃないんですよね。質問の意味が、比較ランキングなのか、条件付きの意思決定なのか。ここが違うと、返ってくる回答の性質そのものが変わってくるわけです。

測定プロンプトも、生成任せにすると実態からズレる

さらに2025年の Mburu らの研究(R)を見ると、AI生成の質問は速くても、冗長化やダブルバレルが起きやすいと報告されているそうな。便利な分、ちょっと油断ならないですなぁ。

つまり、測定で使う質問文そのものも、検証対象だということですね。

ここはへクス子の見立てですが、プロンプトセットは「一度作って終わり」ではなく、いつ作ったものかを添えて持っておくほうが安全でしょうな。実ユーザーの聞き方のほうが先に動きますからね。

Otterly の差分を重ねると、注意点はもっとはっきりします。

AIに「想定質問を作って」と任せるだけでは、短く商業寄りの問いに偏りやすいんでしょう。

実ユーザーの相談文に近い質問を、意図的に混ぜておく必要があるわけです。

測定は「best型」単独をやめて、相談型を混ぜる

AI可視性を測るとき、「best 〇〇」みたいな短い質問だけを並べると、実ユーザーの相談文からどんどんズレていきます。

実際の質問は、人数、予算、導入制約、比較条件まで入って、もっと長くて具体的なんですよ。

ここを外すと、測っているつもりで別のものを測ってしまうわけですね。

なので、プロンプトセットは短い best 型と、条件つきの相談型を混ぜておくのがよさそうです。

コンテンツ点検でも、機能比較だけでなく「この条件ならどれがいいか」に答えられるかまで見ておく。

これだけで、AIが実際の相談場面で自社ブランドをどう扱うかに、グッと近づけるはずです。


出典

  • Thomas Peham (Otterly AI), “Real vs Estimated Prompts: I Analyzed 100s of Real ChatGPT Queries”, 2026-02-03, Otterly AI
  • Federico Errica, Giuseppe Siracusano, Davide Sanvito, Roberto Bifulco, “What Did I Do Wrong? Quantifying LLMs’ Sensitivity and Consistency to Prompt Engineering”, NAACL 2025, arXiv:2406.12334
  • Mburu, T. K., Rong, K., McColley, C. J., & Werth, A., “Methodological foundations for artificial intelligence-driven survey question generation”, Journal of Engineering Education, 114(3), e70012, 2025, DOI:10.1002/jee.70012
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